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デジタルだからこそ [パパの絵日記]

7Dのために

世に先人の知恵は貴いことは多けれど、何でもかんでも有り難がってお題目のように唱えさえすればよいというわけではない。それはなにか得るものがあってこその知恵なのだから、盲信するのはどうかと思う。

私はなんの予備知識もなく写真を趣味にし、なおかつデジタルから始めた。ところが私が始めた頃にはまだデジタル写真が一般的になる前だったから、写真に関する知識はフイルム時代に書かれた本やネット情報しかなかったに等しい。そのなかで随分と為になったことも多いが、「おや?」と思ったことも多い。

「それってフイルムには通用するだろうけど、デジタルにはどうなんだろう?」と感じることがいくつもあった。ただし世に言われる写真の達人やプロが言うのだから、私の浅薄な考えが間違っているに違いないと思うようにしていた。

いくつものデジタルカメラを買い次いで、ようやく「これなら」と思えるカメラにあったのは良いが、それは実に多機能で使いこなすためには長い時間が掛かりそうだった。そこでEOS 7Dの解説本を数冊買ってマニュアル代わりにすることにした。

「いまさらそんな本を読むようじゃたかが知れる」と言われるかもしれないが、いまさらであっても解決せぬままに放置しておく方が「たかが知れる」と思う。解らないなら教えを請うという姿勢をなくしてしまったら、どんなことにも進歩なんて望めない。

最近、書店で手にとっては買うか否か悩んでいた本があった。たいていは「いま買っておかないと買えないかも」という考えのもと、すぐにレジへ持って行くのだが、この本はややしばらく悩んでいた。それは何故かと言えば、「デジタル一眼レフ・すぐに上達するテクニック100」(岡嶋和幸氏著)と題されたその本の内容は、それまで手にしたその手の本とは一線を画する内容だったからだ。

書店に行くたびにその本を立ち読みすると、私が常日頃から感じていたことを「その通りなんだよ」と肯定してくれるのだ。私が日頃感じていたことというのは・・・

  • デジタルカメラで撮る写真というのは、フイルム時代の常識は通用しないんじゃないのか?
  • デジタルだからこそ出来ることがたくさんあるのに、それに目をつぶっても良いのか?
  • 本当に写真を楽しんでいるのか?

・・・というもの。

「白飛びはや黒つぶれはいけない」とか、「ISOオートは邪道だ」とか、写真道には色々と守るべき常識が存在してきた。ところがこの本には「白飛びと黒つぶれは必要不可欠」とか、「ISO感度はオートが効果的」とか、これまでやってはいけないとされてきたことが写真を上手く撮るために必要だと書かれている。目から鱗が落ちるというのか、「やっぱりそうだよな」と思えることだらけ。

その道の王道を極めようとするのなら、過去の常識を金科玉条として守り通すのも大切なんだろうが・・・。別に私は道を究めようとしている求道者じゃないもので・・・。

この本、今日になってついにレジに持って行った。たくさんの示唆に富む中身を読んでいるだけで、明日から自分の写真が少しはマシになりそうな気がする。(気がするだけ・・・)

実はここ数回のブログ写真は、いままでとは違った方法でRAW現像なりレタッチを施してみた。いわゆる「王道」といわれる手法から逸脱しているかもしれないが、自分にとって綺麗に見えるのならそれを掲載するのがいちばんという訳だ。

白飛びだってなんぼのもんじゃい!

たとえば、こんな写真はかつて出来るだけ使わないようにしていた。ハイキー部分が完全に白飛びして色を失っている。ふつうは階調を残すように撮るのが常識だし、RAWで撮ってハイキー部分だけに階調を出してやるのが正しいとされる。でも、それってホントに写真表現として良いのだろうか?

「正誤の問題」と「善し悪しの問題」は、似ているようで違うんじゃないだろうか?

色にしても露出にしても、自分で明らかに失敗したと思う写真じゃなければ問題ないんじゃないかと思えるようになったのは、件の本のおかげばかりじゃない。デジタル時代ならば、それにあった写真の撮り方や見せ方というのがあってしかるべきだと思う。特に素人の趣味でやっていることだから、商用写真家じゃないからこそという楽しみ方があっても良いに違いない。

「あぁ、これは白飛びしちゃってるからボツ」とか、「傾いちゃってるからボツ」とか言っていたら、手元に残る写真なんて数えるほどしかなくなりそうだ。なにしろ「撮ること」が楽しくなくなってしまったら、なんのためのカメラなのか解らなくなってしまう。

ひところデジタルカメラに動画機能なんて必要ないと考えていた。ところが実際にEOS 7Dで動画を撮ってみると、ビデオカメラとはまったく違う世界がそこにあった。これは実に楽しい。アマチュアなんだから楽しければそれで良い。

岡嶋氏の本にはこう書かれている箇所がある。「カメラを使いこなすよりも、自分なりの撮り方をしながら必要な操作を覚えていくのだ。カメラの機能を全て覚えたからと言って自分が望む写真が撮れる訳じゃない」と(そのままの引用はできないので意訳)。まさに『頭にガツンと一撃』だ。

「写真が上手くならない」といろいろ悩んでいる人がいれば、是非とも一読をおすすめする。上記のような観念論じゃなく、当然たくさんの実用的テクニックも紹介されている。なにか一つ殻を破る切っ掛けになるんじゃないかと思う。

私も明日からはこの本に教えられたことを頭に置きながら、新しいデジタル写真の楽しみに踏み出せそうな気がしてワクワクしている。


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