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京都へ行こう!~その12 [パパの絵日記]

大覚寺大沢池

さぁ、いよいよ京都で最後に参るお寺さん、大覚寺です。もともとは嵯峨天皇が営んだ離宮が始まりだそうで、その後に正子内親王によって寺に改められたとか。

平安時代から鎌倉時代と移りゆくと、亀山法王、後宇多法王による院政の場となり「嵯峨御所」と称されたといいます。大覚寺統と持明院統、確か日本史で習いましたねぇ。皇室が歴史の表舞台に立っていた頃に大きな権勢を誇ったお寺さんのようです。

嵯峨野辺り

念仏寺から大覚寺へと向かう折々の風景は、まさに私が勝手に嵯峨野に抱いていたイメージ通りの古を感じさせるものでした。

 

人力車 人力車

大覚寺道までの緩やかに延びる坂道には、下るに従って豪勢な佇まいを見せる家々も多く見られ、いかにも京都の奥の院という印象を感じさせます。その坂道を私たちは大覚寺方向へと下っていくのですが、車の通りの少ないその道を上ってくる人力車と幾たびかすれ違いました。閑静な土地柄ゆえ人力車が似合いすぎます。

 

 大覚寺 大覚寺にて

余りにも人とすれ違わぬので、「本当にこの道で良いのか?」と不安になってきますが、自分の地図読解力には絶対的な自信を持っているだけに突き進むしかありません。長閑な農村風景が続くのですが、ときおり柚子と思われる実をたわわに付けた木々を見ることができますので、退屈感はありません。痛む足をかばいながらでも30分ほどで大覚寺さんに到着しました。

 

大覚寺にて 大覚寺にて
大覚寺にて 大覚寺にて
右近の橘 左近の梅

皇室ゆかりの大寺院だけに、見るべき場所が多すぎて迷子になってしまいそうです。順路と書かれた案内板を見落とさぬように奥へ奥へと進んでいきます。

そもそもが皇家の離宮だったり、徳川二代将軍秀忠の娘である東福門院和子が女御所として居したということから、他の寺院では見ることができない貴重なものを多く見ることができます。
タクシー運転手のお客さんへの説明を小耳に挟むと、宸殿前に植えられた「右近の橘」に対し、「左近の梅」というのは珍しいそうです。一般的に「左近の桜」となるべきところですが、それはかなり後世になってかららしいですね。日本人が愛でる花の代表は桜になっていますが、もともと雅所で愛でられたのが一年で最初に花を咲かせる梅だったとか・・・。古の都を歩くと色々とお勉強になります。

ちなみに宸殿周囲に巡る板張りの廊下を歩くと「キュッ、キュッ」とまるで二条城の鶯張りのような音が鳴ります。単に古いから軋んでいるのかとも思いましたが、後で調べてみるとやはり鶯張りになっているとのことでした。そのことに気付かずに何となく歩くだけになっている人って、かなり鈍感かもしれませんね。

 

 大覚寺にて 大覚寺にて

順路通りに進んでいきますから、先のタクシー運転手さんとあちこちで出くわしてしまい、その解説が聞くとはなしに耳に入ってきます。
幼い頃から「寺の廊下はどうして傾いているのか」と訝っていたのですが、件の運転手さんの解説を妻が小耳に挟んだらしく、自慢げに私に質問してきました。妻によると私は「なんの役にも立たぬ雑学を、よくぞそんなに知っている」と呆れるほどだそうですから、この時ばかりは鬼の首を取ったかのようにほくそ笑んでいたのかもしれません。

 

 大覚寺にて

「なぜ寺社の廊下が傾斜しているのか」ですが、もちろん古いからではありませんでした。雨が降る日にはとうぜん廊下が水浸しになってしまいます。そのままにしていたのではいずれ木が朽ちてしまうため、わざわざ傾斜を付けて庭へ流れ落ちるようにしているんだそうです。うーん、さすがにそのことは知りませんでした。妻にしてやられた感もありますが、知らぬことを知るというのは楽しいものです。また少しだけ知恵が付きました (^^;;) エヘヘ・・

 

 心経殿

天皇家との関わりが強いだけに、珍しいお堂がありました。心経殿と呼ばれる法隆寺夢殿を模したそのお堂には歴代天皇がなされた般若心経御写経が納められているそうで、60年ごと(つまり還暦ってことですね)に扉が開かれるのだそうです。次にこの扉が開かれるのはいつなんでしょうね。

 

京都タワー 街はクリスマス一色に

予定のお寺さんをすべて参り終え、大覚寺から市バスで京都駅へ戻るともう夜の闇の中でした。京都駅ビルの巨大さは圧巻で、あちこちでクリスマスフェアが開催されているようです。そうかぁ・・・もう今年も残すところ少しなんだよなぁ。

 

葵茶屋にて 葵茶屋

駅ビルに続く伊勢丹の案内板を眺めながら、今日の夕食を思案する二人。締めもやっぱり京都らしいものを食べたいということで、葵茶屋という蒸籠(せいろ)料理のお店に入ってみました。デパートにテナントしている飲食店はぼったくりに近いというイメージがあるのですが、なにせお高い京料理を毎日食べ歩いていたからなのか、ここのお値段はリーズナブルに思えます。しかも値段の割には品数が半端じゃなく多いんですね。いやぁ、満腹になった心地よさの中、明日の旅立ちに向けてホテルでゆっくりと寝ることにしました。

明日はいよいよ「京都へ行こう!」シリーズの最終話です。


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びーんず

アクアパパさん、雑学王なんですねぇ(^-^)
寺社の廊下の傾斜、なぁるほど!
言われてみると納得ですよね。
大覚寺はとっても広いのですね。
見応えありますね。
お堂、60年ごとのOPENですか?
次はいつなんでしょうね!中が気になる!
・・・ツリー!?
なんか現実に戻ってきたかんじがしちゃいました(^_^;)
あぁ、もう終わってしまうんですねぇ(>_<)
by びーんず (2009-12-18 09:43) 

aqua_papa

> びーんずさん

嫁さんは「くりーむしちゅー」の上田がいけ好かんと口癖のように言っています。
ということは、雑学馬鹿の私のことも・・・(゜ロ゜)
もうすぐクリスマス・・・アクアは今年どんな被り物をするんだろう?
by aqua_papa (2009-12-19 00:45) 

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